フじイまさよさん/スタジオえあで・インタビュー

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スタジオえあでを訪ねて

スタジオえあで

都心から少し離れた京王堀之内駅にスタジオえあではあります。陶芸教室をしながら、作家活動に励むフじイまさよさんの工房兼陶芸教室です。初めてスタジオえあでに来たのは、2014年の7月。当時はまだトリノワがオープンする前で、販売するための商品を探していたときでした。フじイさんは、そんなまだ名もなきトリノワへ快く商品を提供してくださいました。この度、約1年半ぶりに工房を訪れ、フじイさんにお話を伺ってきたのでご紹介します。

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稲妻が落ちたくらい楽しかったんです

━━陶芸を始めたきっかけを教えてください。

フじイ:結婚してから、アメリカのカリフォルニアに夫が転勤になりついて行くことになりました。時間があった事もあり、何かやろうと思った時に前から少しやりたいと思っていた陶芸のクラスがあり参加しました。普通は最初は手ロクロからやるんです。ただ、何も知らなくて電動ロクロを見て、「あれがやりたい」と言ったらやらせてもらえたんです。普通はやらせてもらえないんだけど、いいよって言ってくれたんです。やってみたらもう一回目でロクロの魅力にはまってしまいました。稲妻が落ちたくらい楽しかったんです。

そこの先生とか環境がすごくよかったのもあり陶芸にはまっていきました。難しさと面白さにはまり、もっとやりたい!上手になりたい!と思い、先生に相談してカレッジ(大学と専門学校の間)のクラスをとりました。そこでは約2年半、陶芸の勉強をしました。素敵な友人ができ、去年、帰国後初の同窓会展を表参道で開催しました。東京から三人、神戸からも二人参加していただき、盛況でしたし、とても楽しく過ごしました。

電動ロクロ

━━日本に帰って来て陶芸をお仕事にしようと思いましたか?

フじイ:帰って来る時はプロになれるとは思っていませんでしたが、アシスタントなどをしながら制作を続けられないかと模索していました。そんな時、持っていた作品を出展してみたら好評だったんです。その時に、作るところさえあれば売る事も出来ると思いました。でもいきなり工房を持つことは難しいので、まずは講師として働ける場所を探しました。なかなか見つからなかったんだけど運よく紹介で見つかり、講師として雇ってもらいました。そこにはだいぶお世話になりました。

━━スタジオえあでの設立までの経緯を教えてください。

フじイ:講師としてのお仕事はすごく楽しかったです。ただ、作品展向けなどのタイトなスケジュールで焼成できないこととかがあったりして、そろそろ自分でやりたいなと思い2005年にスタジオえあでを開くことにしました。最初は教室をしながら、ギャラリーで一年に1度、今もずっと続けている恒例の作品展を開催していました。その後、メンバーさん(生徒さん)の協力もあって作家活動を少しずつ増やしていきました。

━━教室と作家活動の両立、全体のお仕事のバランスはどのような感じですか?

フじイ:作家活動を増やし始めた当初は、急にきた話をうけたりすることもありすごく大変でした。教室がフルであり、休みの日や教室が終わった後とかに作品を作っていました。今ではメンバーさん(生徒さん)にも協力してもらい、毎月1週間は作品展、または集中制作週ということで教室をお休みさせてもらっています。メンバーさんが応援してくれていることで成立しているのがえあでらしいなと、誇りに思っています。

和食器と洋食器の間のような器

作品作りについて熱く語るフじいまさよさん

━━『ModernPottery』とご自身の作品を表現していますが、どのような意味があるのでしょうか?

フじイ:日本人は、みんな陶器が身近で自然にいろいろな産地をご存知だと思うんですが、伝統的な○○焼っていうのを連想しない器を作りたかったんです。外国で陶芸を勉強したっていうのもあって、日本の和食器と向こうの洋食器が融合したらいいなって思ったんです。和食器と洋食器の間のような器ですかね。奇抜すぎることもなく、デザインや色が優しく爽やかな、私らしい作品を『ModernPottery(モダンポータリー)』と呼んでいます。

━━フじイさんの作品は、磁器を陶器の温度で焼き上げる少し変わった作り方をしていますが、どのような経緯でそのような器作りになりましたか?

フじイ:淡い色を出したかったんです。その為には白が真っ白でないといけなくって。でも陶器の白はどうしてもクリーム色っぽくなってしまうんです。磁器の白を使えば淡い感じやグラデーションの微妙な違いが表現できると思い、試行錯誤の結果たどりつきました。今作っているスパイラルシリーズは、磁器だけで作っているんですが、色とか質感が思ったように上手く出せたんです。また同時に「汚れにくい」、「欠けにくくて丈夫」、「薄くて軽く作れる」など実用性も伴っていて、それが私の作品の特徴にもなっているんです。

━━どんなことを意識して作品作りをしていますか?

フじイ:口当たり、手触り、重さなどの使いやすさを意識するのはもちろんなんですが、使ってくださる人に気に入ってもらいたい、愛されたいと思って作っています。物作りはみんな共通していると思っていて、(作り手の)想いが乗っかり、作品と一緒に想いが(使い手さんに)届くんじゃないかなって思っているんです。だから、楽しいとか、嬉しいとか、そんなコンディションでロクロに向えるように意識しています。また、それが作品からも伝わるような作品を作れるようになるのが目標ですね。そして、使ってもらう物を作る事で(お客さんと)繋がることができたらいいなと思っています。

━━作品作りは楽しいですか?

フじイ:楽しい!!!作っているのが一番楽しいです。器を作る工程の中でも色々な作業があるけど、ロクロに向かうのが1番楽しいです。陶芸を始めて20年くらいになるけど今でもワクワクする。今日は作れる日だってなるんです。作る時って大きな土の塊から作り始めるのですが、だんだんやってると疲れてくるんです。だけど土が小さくなって最後になると、もう一個しか作れないのかと、ちょっと寂しく思ってしまいます。

メンバーさん(生徒さん)の分かった瞬間のキラキラの目が大好き

スタジオえあでで作業中のフじイさん

━━陶芸教室もしていらっしゃいますが、そちらはいかがですか?

フじイ:メンバーさん(生徒さん)からもよく刺激をもらいますよ。アイデアをもらったり、相談することもあります。教えるのもすごく好きです。何よりもメンバーさん(生徒さん)が「わかった!先生が言っていたのはこういうことね」っていう瞬間のキラキラの目が大好き。もうやめられないなって思うんですよね。やったねって一緒に言えるのが本当に嬉しいんです。

ここ(スタジオえあで)が10年になるんだけど、メンバーさんで作品を販売するようになった人も出て来たんです。彼らのファンやお客さんがついたりして、作品が売れたり、問い合わせをもらったりするとすごくうれしいです。

━━今メンバーさん(生徒さん)の募集はしていますか?体験は可能ですか?

フじイ:いつでも入会できるし、体験も可能ですよ。みんな最初は初めてなので、未経験の方でも大歓迎です。きっとはまりますよ(笑)

━━作家活動、教室の他にはどんなことをしていますか?

フじイ:食器リサイクルの活動で講師をしたり、多摩クラフト協会という作家さんの集まる協会に所属して発表しています。また、工房の近くの地域の振興の活動にも最近興味を持って取り組んでいて、今度「のうちのマルシェ」というイベントを計画しています。ここ堀之内にはたくさん素敵なお店があるんですが、そんな暮らしを彩る素敵なお店が集まって、マルシェをしたら面白いなって思って。1日限りなんですが、5月28日(土)に別所ふれあい公園(京王堀之内駅徒歩3分)で開催するので是非遊びに来てください。

━━最後に今後の展望を聞かせてください。

フじイ:将来はコンスタントに作品展をしながら、オリジナル釉のシリーズを研究したいです。今すごく環境に恵まれて作品が作れていると思うんです。置いてくださるお店があったり、展示会の機会をもらっているからこそ作品が作れることに感謝したいです。また、メンバーさんや家族に理解してもらえていることにも、ほんとう感謝です。作家活動も大事だけど、えあでがあってこそだと思っています。えあでが好きなので。どっちも(作家活動も教室も)ほんとう楽しいし。うまく両立していきたいですね。そして、素敵な人たちと過ごしていくのが目標です。

色の優しい重なり合いと独特な質感が美しいマーブル模様のマグカップ

色の優しい重なり合いと独特な質感が美しいマーブル模様のマグカップ

月の満ち欠けが描かれた「月」シリーズ

月の満ち欠けが描かれた「月」シリーズ

フじイまさよさんのお話を聞いて(まとめ)

スタジオえあで

1番印象に残ったのは、「作品作りは楽しいですか?」と質問した時に、楽しいと答えた時のフじイさん。それこそ目をキラキラと輝かせていました。ほんとうに作品を作っているのが大好きなのが伝わってきました。また、メンバーさんたちとの絆がとても深く、大切にしているのが良くわかりました。そんなフじイさんの作品からは、彼女の優しさや人柄、作品作りへの強いこだわりが伝わってきます。

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フじイまさよ陶歴
1997年 カルフォルニアFoothill CollegeにてGeoge Bruce氏に師事
1999年 帰国 東京で作陶を始める
グループ・個展、デパート・クラフトフェアなど
2002年 「陶芸教室 縄文の里」講師
2003年 国立ギャラリー「悠」二人展(~毎年)
2005年 陶芸スタジオ えあで 設立
唐木田 エコにこセンター 「陶芸体験」講師
2014年 国立ギャラリー「悠」フじイ まさよ展「Modern pottery for Life」
2015年 根津ギャラリー「汐花」フじイ まさよ展「Modern pottery for Life」

食器リサイクル全国ネット会員
多摩クラフト協会会員

スタジオえあで
http://www.erde-msy.jp/